SNSとホームページの微妙な関係

2024年8月19日

そう言えばあのイベントはいつだっけな?時間は?場所は?っていう時に、ネット検索しても見当たらず運営する会社のホームページに行っても掲載がなくて、実はSNSのみの発信だったのでなかなか探せなかったってことがあって、ちょっとモヤッとしたので考えてみました。

早い話、せっかくの情報発信が無駄になってませんかー?!ってことなんですが、総務省によれば日本の企業のホームページ開設率は90%強ということなので、大企業はもとより中小企業でも、特にBtoC業態の企業はホームページを開設しているところがほとんどと思われます。
ではSNSを実際に運用している企業はどれくらいなのかというと、2023年の東京商工リサーチさんの調査では大企業含め約半数が「運用せず」、さらに運用企業の3割が「効果が得られない」という回答だったようです。
調査から少し時間が経過しているとはいえ運用数も効果も以外に少ないなという印象です。
株式会社東京商工リサーチ 該当ページへ

小規模の事業主の方や個人経営者がInstagramやfacebook(ページ)をホームページ代わりにして情報を発信しているというのもよく見かけますが、ホームページの制作コストや更新の手間、情報の発信規模(地域密着型)などを考えれば、これは正しい選択だと思いますので置いといて、そこそこの企業でホームページを開設済みでSNSも併用しているというところ、そこにこそ問題が潜んでいるような気がします。

冒頭のように、ホームページもSNSも開設しているのに情報発信はSNSだけという企業さんがそんなに多いとは思いませんが、もし該当するなら、それでは発信する側の情報が求めている側にスムースに届いていない場合があるってことになるなぁと。これはやっぱり問題なのでは?と思ったわけです。
小さな企業では専門の担当者をおけないとか、スマホで出来るのでSNSのほうが簡単!とかいろいろ事情があるのは分かるんですが、情報を求めている(私のような)人がいるのに、せっかく発信した情報が届きにくいっていうのは、はやりもったいない。

例えば、新商品を開発したなどの基本情報はホームページに掲載し、SNSではそのページに誘導するのと同時にその商品をこんな風に使うと便利です的な情報を発信する、また、「こんなイベントを◯月◯日に開催します」のような詳細情報はホームページでに掲載し、こんな人達も応援してくれていますのような発信はSNSでというように、いつでも確認出来る基本的な情報をホームページで、埋もれてしまっても良いのでより新しい情報を追加したい場合はSNSで発信するという使い分けが重要なのではと思います。

SNSはとにかく新しいちょっとした情報の発信にはとても便利ですし、フォロワーにはほぼ確実に届くというメリットはありますが、データベース的な管理ができないことがほとんどなので情報がすぐに埋もれていってしまいます。
さらに、SNSにはそれぞれに特徴があって、例えばInstagramの場合、総務省の統計(令和4年)では全年代での利用率は50.1%で、年代別では
①20代 73.3%
②10代 70.0%
③30代 63.7%
④40代 48.6%
⑤50代 40.7%
⑥60代 21.3%
⑦70代 7.5%
の順となっています。
出所:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

全体の数字だけ見るとInstagramを利用していない51%ほどの人たちには見てもらえない可能性があるように思えますが、販売したい商品や催しなどが利用率の高い年齢層に合致しているなら、利用者を意識した上でフォロワーを獲得し、情報をうまく発信することで、大きな効果が期待できそうです。

一方ホームページはユーザー自ら情報を取りに行かないと得られないというところはありますが、データベース管理ができるので新商品の紹介やイベント、展示会など、ホームページ上で探しやすいようにカテゴリー分けをきちんとしておけば、ネット検索でも探しやすくなりユーザーが求める情報を提供するには有利です。
さらにフォローする、しないに関係なく広く世界中(言語の問題はありますが)の人たちに情報を開示することが出来ます。

と、諸々考えてみると情報の出しどころ、メデイアの使い所をよく考えながら情報発信していかないと、実はとても残念な事になっているのかもしれません。

今回のような例はたぶん稀で、メディアツールを上手に使い分けながら情報発信している経営者の方や事業主の方がほとんどだと思うんですが、何故かサッと欲しい情報にたどり着けなかった自身の経験から、一応纏めてみました。